アジャイルソフトウェアマネジメント
- 作者: DavidJ. Anderson,宗雅彦,前田卓雄
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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かなり本格的で、読み応えがあります。
TOCらしく、開発工程の中の制約条件であるとか、
各フェーズのスループットだとか、
財務のメトリクスだとか、
普通のアジャイル本とはかなり趣きが違います。
各工程の生産性を見るということで、
例えばテストフェーズで大量に不具合が見つかって手戻りが発生しているとき、
テストにものすごくコストがかかっていて、コスト面・時間面からは一見、ここが問題になっていて要改善に見えるのですが、
スループットで考えると、実装工程で作ったものがテストではねられるということは、生産してないのと同じであり、正しく作ったものだけをアウトプットとして考えると、
実は実装のスループットがかなり少なく、
ここが製造工程中の制約条件であり、要改善ポイントである、というような考え方ができます。
技術的な面から、あるいは経験から、
品質を上げるためには設計・実装であって、テストではない(テストでは手遅れ)というのはよくわかるのですが、
TOCという別の視点・尺度から見て制約条件を探し改善するというのも、わかりやすいものだと感じました。
(スループットを測ろうと思うと、なんらかのメトリクスが必要で、それがソフトウェアの場合、それなりにたいへんではあるのですが)